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お盆の時期(地域によっては5月)に行われる施餓鬼ですが、そもそもの由来はお盆とは異なります。
施餓鬼会は、『涅槃経』、『鼻奈耶律』、『救抜焔口餓鬼陀羅尼経(ぐばつえんくがきだらにきょう)』などの経典に由来しますが、現在日本で行なわれているものは『救抜焔口餓鬼陀羅尼経』に基づきます。
『陀羅尼経』では、お釈迦様の弟子・阿難が、焔口という餓鬼に「お前は三日で死に、餓鬼道に落ちる」と告げられます。阿難がお釈迦様に相談すると、お釈迦様は「餓鬼に食事を施し、陀羅尼を唱えれば、一切の餓鬼が救われる」と説かれ、阿難は助かりました。これをもとに施餓鬼会が営まれるようになったのです。お盆と混同されるようになった背景には、餓鬼道という共通のテーマがあるのかもしれません。
施餓鬼会では、お堂の本尊さまとは反対側の外縁に、施餓鬼壇(施餓鬼棚)と呼ばれる壇を設置。宝勝如来(=南方宝生仏)、妙色身如来(=東方阿?仏)、甘露王如来(=西方阿弥陀仏)、広博身如来(=中央毘盧遮那仏)、離怖畏如来(=北方釈迦如来)の5本の幡をかけて、壇上には餓鬼に施すための食物と「三界万霊」と書かれた位牌、さらに両側には新亡(1年間に亡くなられた方)の位牌を並べます。
「三界万霊」は、餓鬼も含めたあらゆる有縁無縁の精霊(しょうれい)を意味します。「三界万霊」と新亡の位牌を並べる背景には、民間では無縁仏が新亡の成仏を邪魔するという考えがあり、無縁仏も含む「三界万霊」と新亡の成仏をともに祈るという形になったと考えられます。(なお、浄土真宗では死者は全て極楽浄土に往生すると考えますので、施餓鬼会は行なわれません。)
現在でも、日本を含め世界中で誰にも供養されることなく亡くなっていく方々が多くいます。そのような方々にも思いを馳せ、成仏を願うという意味では、とても現代的意義を持つ仏教行事であると言えるでしょう。 |