今昔物語に帝釈天の逸話があります。

日本人の仏教

  
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日本人の仏教

今昔物語と
帝釈天

・インドラ ・毘沙門天 ・お釈迦様 ・月 ・兎 ・狐 ・猿 ・ジャータカ
 闘いの中で変身の能力を活用したインドラ(帝釈天)は、仏教の中でも、その才能を活かします。
お釈迦様の時代に、盧至長者という金持ちがいました。盧至は大変なケチで、家族にも物惜しみをし、食事も一人だけで心ゆくまで贅沢をするという有様。その飲食の楽しさは毘沙門天や帝釈天にも勝るだろうと詠って喜んでいました。

  このとき、ちょうどお釈迦さまに会いに来ていた帝釈天は、自分を馬鹿にする盧至の歌声を耳にします。こんな盧至をこらしめようと、帝釈天は盧至に化けて、盧至の家に。帝釈天は倉庫を開けて、財宝をことごとく取り出し、あらゆる人々に分け与えてしまいます。盧至の家族が奇異に思っているところに、本物の盧至が登場。家族は後に現れた盧至を偽者と叩き出します。しかし、それは本物の盧至なわけで、収拾がつきません。仕方なく国王に判断を仰ぎに行きますが、変身が得意な帝釈天の盧至は本人と見分けがつきません。困った国王はお釈迦様のもとに二人の盧至を連れて、相談に行きます。お釈迦様のもとに着いた時に、帝釈天は本来の形に戻って、お釈迦様に盧至の過ちを報告します。お釈迦様は盧至に教えを説かれ、盧至は物惜しみの間違いに気付きます。そして、盧至は教えに従い、より豊かな資産家となりました。これは盧至長者の話として今昔物語集にも載っているお話です。

  今昔物語には他にも帝釈天の逸話があります。なかでも、月の兎の話はもっとも有名でしょう。ある時、狐と猿と兎がいました。三匹は、今の自分達が獣となっているのは、生前の行いがよくなかったことの報いだろうと考え、今生では自己の欲望を顧ず、仏道に従って生きようと努めます。この三匹に気がついた帝釈天は、その心意気を確かめようと、衰弱した老人に変身。三匹のもとに行き、「老い先短い私を面倒見てくれないか」とお願いします。三匹は快く引き受け、老人をもてなします。狐と猿は食料を手に入れてきますが、兎はなかなか難しいことでした。それでも何とか老人のためにしたいと考えた兎は、自らの肉体を食料として奉げようと焚き火の中に飛び込みます。その途端、老人は帝釈天の姿に戻り、焼かれた兎を取り出し、あらゆる者にいつまでも兎の喜捨の精神を伝えようと、月に兎を映し込んだといいます。そして、月面の雲状の模様は兎が焼けた煙だそうです。こうして月には兎がいるというお話が日本人の心に定着していったのです。

  余談ですが、このお話、古代インドのジャータカという仏教説話集に由来するもの。そこでは、兎が飛び込む焚き火はインドラが起こした燃えない炎だったため、兎は焼かれることなく救い出されています。


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 仏像>今昔物語と帝釈天

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