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大乗仏教の修行者・菩薩は、部派仏教(小乗仏教)において重視された自利行(自らが仏になるため・さとりを得るための修行)のみならず、利他行(多くの人を仏の教えに導く、他者に対しての行為)も非常に重視されます。なぜこれほど利他が強調されるのでしょうか。お釈迦様の故事に立ち返ると、お釈迦様は自分が悟られた智慧を、衆生を救おうとして教えた事実があります。説法をした理由といえば、当然慈悲の心にもとづくものであります。つまり大乗仏教の利他行はお釈迦様の事を考えれば、至極当然の行為ともいえるのです。
これら、大乗仏教の具体的な行をはっきりとした形で6つ提示したのが六波羅蜜です。波羅蜜とはサンスクリット語のパーラミターの音写語であり、「完成」や「成就」といった意味合いです。つまり修行者として6つの行を完成させる事といえばよいでしょう。具体的には布施(施すこと、物惜しみしないこと。)・持戒(戒を守るだけでなく、一般的にも約束を守ること。)・忍辱(耐え忍ぶことであるが、基本的には怒らないこと。)・精進(励み努めること。怠らない、さぼらないこと。)・禅定(静かに瞑想すること。)・智慧の6つとなります。
部派仏教では、戒学・定学・慧学の三学と呼ばれる実践が重んじられました。つまり、戒律を守り、禅定によって精神を集中し、深い智慧(悟り)を得るといったことです。この三学を拡張したのが六波羅蜜です。つまり三学の「戒」を六波羅蜜の布施・持戒・忍辱・精進の4つに対応させたことになります。
こうして六波羅蜜は大乗仏教における重要な実践行となり、殆どの大乗仏教の経典でその重要性が説かれるようになったのでした。
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