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真言宗は、9世紀初頭に弘法大師空海によって開かれました。中国において当時最新の仏教であった密教を学んできた空海は、『大日経』と『金剛頂経』に基づいた教えを展開しました。
まず、真言宗では「大日如来」を本尊として考えます。この大日如来とは釈迦如来や観音菩薩のような仏ではなく、全宇宙そのものであり、釈尊が悟った真理そのものが人格を帯びた仏、であるのが特徴です。ですから大日如来は薬師如来、地蔵菩薩、不動明王等の他の仏・菩薩・明王の本体である、と考えます。よって真言宗の寺院では様々な本尊が祀られていますが、結局は大日如来が祀られている事と変わらない、と考えるのです。
また、教えの中心には「即身成仏」があります。良く誤解される事ですが、これは「尋常ではない超能力を持ち、仏になる事」ではありません。「自分自身が本来は仏と他ならない事を理解・確認する」といった方が近いでしょう。この理解法が三密行と呼ばれる方法です。
三密とは、身体の行い(身密)、口にする言葉(口密)、心の働き(意密)の三種の事です。この三つの行いは三業とも呼ばれ、本来は煩悩を生み出す元ですが、これを正しく行う事により自分が仏と変わらない事を自覚するのが三密行の趣旨です。
同じように密教を伝える宗派に天台宗があります。天台宗の密教を「台密」と呼ぶのに対し、真言宗の密教は「東密」と呼ばれます。(東寺にちなんで。)
真言宗では、宗祖である空海が圧倒的に有名でありますが、彼の後もその思想を継ぐ多くの高僧が輩出しました。平安末期の興教大師覚鑁、鎌倉時代の頼瑜などがその代表です。この覚鑁、頼瑜の流れを継ぐ者達は、やがて高野山から分かれ根来寺に住するようになりますが、この流れを継ぐのを新義真言宗(真言宗智山派・真言宗豊山派など)と言い、それ以外を古義真言宗(高野山真言宗・東寺真言宗など)といいます。
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