『普勧坐禅儀』(ふかんざぜんぎ)は、全一巻であり、道元の著作です。嘉禄三年(1227)、道元が入宋修行を終えて帰国した年に撰述されました。
今日、嘉禄三年に著された嘉禄本は伝わっていませんが、天福元年(1233)に道元が興聖寺で浄書した自筆本(天福本)は永平寺に現存しており、昭和十五年(1941)に国宝の指定を受け現在に至っています。しかし、今日、広く読まれている『普勧坐禅儀』は、『永平広録』に収められているもので、流布本『普勧坐禅儀』と呼ばれています。
本書は、具体的な坐禅の仕方について述べており、四六駢儷体(しろくべんれいたい)の漢文で書かれています。帰国直後に書かれたということもあり、実質的な道元の立宗宣言の書ともいわれています。
まず、坐禅をするときの心構え、続いて、足の組み方、手の組み方など、具体的な坐禅の仕方について記述されています。坐禅の組み方には結跏趺坐(けっかふざ)と半跏趺坐(はんかふざ)があり、その具体的の方法について述べています。結跏趺坐は、右の足を左の腿の上にのせ、左の足を右の腿の上にのせ、両足を組んで坐禅をする方法であり、半跏趺坐は、左の足を右の腿の上にのせるだけであり、片足だけを組んで坐禅をする方法であると述べて、二とおりの坐禅の組み方があることを紹介しています。また、手の組み方、姿勢を正す方法、などについても述べています。
本書は、春秋社発行の『道元禅師全集』第五巻、講談社学術文庫『道元禅師語録』などに収められています。 |